唄口の大きさは色々?
最近、お客様に篠笛をお送りした後で困った現象?
それは以前から愛用している篠笛と眞風の篠笛の唄口の大きさが違うと言うことです。
その単位はわずか数ミリもしくは0.2~3mmの違いです。
それで唄口を大きくしてくれ!または小さくしてくれ!と言うことです。
お金を払ってくれるお客様は当然かと思いますが、そんなに奏法には影響があるわけではありません。
有名笛師さんの唄口
まずは同じ唄用六本調子の篠笛で有名笛師さんの作を写真でご覧ください。
右端一番目と二番目は有名な蘭情さんの作ですが真笛だけあって縦11.5mm 横16mmくらいあり、とても大きいです。
次も横15mmちかくあります。
残りは朗童、丸山、監山、最後が私の作ですが基本的には縦10mm 横13mm前後がほとんどです。
慣れないため吹きずらい??
篠笛はこの様に笛師さんや篠竹の形状・太さによってほとんど同じものはありません。
あなたは唄口に合わせて口の形を変えているのですか?ほとんど不可能です。
私の場合には唄口の大きさを一々気にして篠笛を吹いたことはありません。
つまり、最初初めて手にした篠笛の気になるところは唄口の大きさよりも指孔の間隔の方なのです。
初心者ほど気になる?
これらのことは見た目が大きいから、または小さいから、いつもとは違うと先入観で判断してしまうのではないでしょうか?
唄口の場合には横幅が10mmより小さな場合や横幅15mm以上大きい場合には確かに唇に当たる口当たりが違ってきます。
しかし、縦10mmくらい、横13mm前後であれば全く気にする必要はなく、自然な形で素直な気持ちで吹き始めれば全く問題は無いと思います。
オーダーメイドでの勘違い?
私は最近「本格的な煤竹篠笛をオーダーメイド販売」と名うってホームページをリニューアルしましたら、何でもかんでも自分に合った唄口の大きさにしてほしいと言う問い合わせを多く頂くようになりました。
それはそれとして良いのですが、すべて貴方にピッタリとはいかないからです。
大事なことは楽器である以上正確な調律が求められます。また篠笛らしい綺麗な音色、そして鳴りの良さもです。
これらを無視して貴女にピッタリとはいかないのです。
つまり、あなたにも篠笛に合わせて頂く必要があると言うことです。これも稽古・練習の一過程なのです。
超太もの篠笛
最近、千葉県のある人から古典調五本調子の篠笛の製作依頼がありました。
国内でも有名なお祭りの中で、そのメインになる篠笛を吹くので新たに篠笛を作ってほしいとお出で頂きました。
何んとその篠笛の太さは唄口周りの直径が約23mmあります。当然唄口の大きさも大きく、縦12mm 横15mm程あります。
更に迫力があり大きな音が出て太鼓にも負けない音量が欲しい言うことです。
そこで当工房が準備した篠竹は直径が約25~6mmの五本調子ではありえない太さです。
ただ孔を開ければ良い?
篠笛を制作するに当たっては笛師も演奏家同様に吹けなければ話になりません。
つまり、篠竹に穴を開ければ篠笛は完成とはいかないからです。
吹き易さ、音のバランス、古典調であっても古典調なりの調律があります。。
その為にはまず一つ一つの音を正確に吹く必要が最低条件です。次に指使いが軽やかにリズムかるに動けるようにしなければなりません。
お客様の目的
本当に篠笛作りとは毎回真剣勝負なのです。でもお客様にはこんなことは知る必要もありません。
お客様にはただただ篠笛を楽しんで頂ければよいのです。