吹き易さを決めかねない唄口の大きさについてお話します。
吹き易さを決めかねない唄口の大きさについてお話します。
今回は篠笛のもとになる素材の作り方「矯め直し」についてお話ししたいと思います。
簡単に言えば曲がった竹や反っている竹を真っすぐにする方法を言います。
その方法について詳しくは次の動画をご覧ください。
いかがだったでしょうか?
篠笛を作るためには数々の工程がありますが、これは篠笛の素材になる篠竹を作る作業になります。
篠笛は1本1本手作りで制作します。最近ではプラスチックや木材、合成竹等、いろいろな素材で篠笛を製作されている笛師さんもいます。
しかし、日本の伝統的なつくりの笛が時代を問わず多くのお客様にはご支援を受けています。
手前みそになりますが、やはり音色が違いますね?
日本の風土にあった、日本人にあった楽器はやはり煤竹篠笛です。
あなたが篠笛を選ぼうとした場合には何を基準に選びますが?
私なら即音色と言いますが・・・
でも篠笛を実際に販売する人とお客様の価値は当然違いますよね。
お客様は当然お金を払ってくれる人になりますが、何に価値を置くのでしょうか?
安ければ何でも良い人、
いやいや鳴りがよい篠笛
でも、吹き易さも大切だよなぁ~!
見た目だって大事だよ!!
などなど、人それぞれ!!
実際に篠笛を作っている笛師は何に価値を置いているのでしょうか?
これも笛師さんによって色々あると思いますが・・・
例えば、何度も購入してくれるお客様、高額な篠笛を購入してくれる人。
などなどお金にまつわる価値観。
でも笛師って職人なのです。
それには篠笛を作る喜び、お客様からの感謝の言葉、日々の精進の楽しさ。
色々ありますよ。
お客様の価値に応える為に、実際には目に見えない所では色々な努力をしています。
その一つが油抜き・・・
前置きが長くなりましたが簡単に油抜きについて紹介します。
油抜きとは何でしょうか?
篠竹はそのままにしておくといずれ害虫の住処になってしまうほど虫が付き易いものです。
また、成長の段階で色々な水分や油分を含んでいます。
つまり害虫の餌となる養分を取り去ってしまうことです。
また、竹は火に炙ることによって堅く絞まり、割れも少なくなり丈夫になります。
更に音色も良く成ります!!
これって一石三鳥かな・・・?
油抜きの方法は大きくは3種類あります。
実際に火に炙ってやる方法。
竹はいくら乾燥した竹であってもいくらか水分を含んでいますので、それらが火に炙ることによって油分と水分が一緒に竹の表面に浮かび出てきます。
それを乾いた布で拭き取ります。
この方法は竹の数量が少ない場合には良い方法で炭火やガスコンロ使用することで簡単にできます。
次に沸騰したお湯に入れグツグツと煮込んでいく方法です。
入れる金属製の桶の大きさによっては数十本処理することができます。
このためには大きな釜戸や金属製の桶、そして燃料になる薪やガスなどが必要になります。
私の所では燻すことによって油抜きをします、これって一石四鳥の方法です???
今では数年前から使わなくなった薪風呂(五右衛門風呂)の煙突を利用して行います。
但し、専用の窯ではありませんので火加減に注意が必要です。
どうしても火力が強く成りがちですので、細火で生の小枝だなどを合わせて燃やして煙がたくさん出るように時間をかけて行います。
この方法を実際に篠笛を作り始めるまでの3年間の間に5~6回繰り返し行います。
写真は一番最初の油抜きを兼ねた燻しになります。(左側の黄色のコンテナ)
この様に良い篠笛を作るためには見えないとこでは数々の作業があります。
今年度も3回目の篠竹刈に行ってきました。
竹は11月から3月までの八専の時期を除いた日が良いとされています。
陰暦で、壬子(みずのえね)の日から癸亥(みずのとい)の日までの十二日間のうち、丑(うし)・辰(たつ)・午(うま)・戌(いぬ)の四日間を間日(まび)として除いた八日間。
一年に六回ある。この期間は雨が多いとされ、婚礼・仏事・造作・売買などは避けられた。
私の住む南相馬市にも篠竹はあちらこちらの河川敷や山にはたくさん育いていますが、ほとんどは直径が10mm前後の細い竹です。
篠笛の材料として使うためには直径が20mm前後で節間が45cm~60cmのものです。
しかし、これに適するものはほとんどありません。
太すぎるか細すぎ、または節間が20~40cmくらいまでしかないのがほとんどです。
そんな中でもただ1カ所だけ良い場所があります。それは私だけの秘密の場所です。
今年度は約120本くらい3回に分けて刈り取ってきましたが、1本の篠竹から篠笛になりそうなものは約4~5本くらい取れますので篠笛の材料としては約600本確保できます。
写真は切断の様子を写したものです。
篠竹は生えてから2年以上たったものを選びます。
篠竹は経った1年で成長をしてしまいますが若い竹は肉質が柔らかく絞まりもありません。
それに非常に割れやすいため堅く絞まった肉厚のものが良いとされです。
それにはやはり最低でも2年以上経ったもので無ければいけません。
では、それを見極めるにはと言いますと、竹には必ず皮がついて成長してきます。それが年を越すたびに変色したり、剥がれてきますので、皮の無い色が綺麗でなく薄汚れたようなものを見つければ良いです。
これらの条件として2年以上経ち太さが20mm前後、節間が45cm以上なものとなると50~100本に1本くらいしか篠笛の材料になるものはありません。
今年度は私も年齢を考えて取れる時期にたくさん確保しようと今までは一人で取りに行っていましたが、妻にも協力してもらい大奮闘しました。
19mm~18mmくらいの細めで長さが45cm以上のものが約200本
20~22mmくらいで長さが50~55cmくらいのものが300本
そして23~24mmくらいのもので太めのもが100本ほどです。
写真は今年になり3回目に行った時のものです。
これからが更に大変油抜きをかねて1回目の燻しが待っています。
その様子は次回にお届けします
以前から私はこれから篠笛を始めようと思っている人には唄用(ドレミ調)七孔 七本調子がいいですよ・・とお薦めしておりました。
そこで、私自身でも唄用七本調子の篠笛で童謡を吹いてみました。
「あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ しのばるる 」
日本人なら誰でもが良く知っている童謡ですが、この曲が大正時代に作曲されていることは意外に知られていないかもしれません。
作詩・林 古渓 作曲・成田為三
暑かった夏が過ぎ去り、ようやくさわやかな季節が巡ってきました。
そんな季節にピッタリの曲かと思い吹いてみました。
「浜辺の歌」は童謡の中でも指折りの名曲ではないでしょうか?
震災前には私の住む南相馬市の北泉海岸も青い松原に白い砂浜があり、子供の頃夏になると毎日のように遊びに通っていました。
そんな北泉海岸は白い砂浜は復活してきましたが、青い松原は幻のように消え去ったままです。
私はこの「浜辺の歌」を吹くたびに津波や震災前の状景が思い出され、自然と悲しいような吹き方になってしまいます。
初心者の人達が少しずつ音も出すことが出来、指も思うように動かることができるようになると、吹き始めるのは日本の童謡ではないでしょうか?
七本調子の篠笛であればこの童謡を吹くにはピッタリだと思います。
あまり、極端な運指の必要もなくゆっくりとマイペースで、一つ一つの音を確かめながら吹けるのではないでしょうか?
日本人なら誰でもが心に響く、しかも子供の頃から聞き馴染んだ曲、もう一度日本ならではの和のメロディーを楽しんでみてはいかがでしょうか?
ゆったりとした曲の流れに情緒豊かな詩、それにあなたの篠笛が加われば最高の癒しの空間ができることが受け合いです。
あなたが家族の前で吹くことも、大きな練習の一歩にもなります。
どうか自分だけのものにしないで多くの人達ともこの名曲をシュア―してください。
篠笛を初めて選ぶ際に、あなたは何を基準に選びますか?
ここで言う基準とは篠笛の種類や調子(音程)ではなく、工房や笛師,そして制作メーカーや販売店と言ったことです。
価格で選ぶ人、手軽なネット通販で選ぶ人、あるいは友人・知人からの紹介、また師匠から勧められた等、色々なことが想定されますね?
しかし、誰でもがまず最初に思うことは失敗はしたくない、損はしたくない買い物をしたいと思うことではないでしょうか?。
あなたには満足できる、納得できる篠笛の購入法として、最近当工房に寄せられたお客様の声の一部を紹介し、賢い篠笛の購入法の参考にして頂ければと思います。
待ち望んだ篠笛が本日届きました。
早速開けて見ると工芸品とも言える素晴らしいものでした。
手に取ってしばらく眺めさせて頂いております。
今日まで増山さまが一本一本丁寧に手作業で制作されている姿を想いながら、本当に感激しております。
また、初心者の私には吹き方の説明書まで添えて頂き、ありがとうございます。
篠笛は力とか気迫で吹くのではなく、心で吹くものだと感じさせて頂きました。
基本を大事に末永く篠笛を楽しめるように努力をしていきます。
今回、ご縁を頂きありがとうございました。
篠原
私はもう70歳を超えた老人です。
ひと昔前であれば、いつお向かいがきてもおかしくない年齢です。
しかし、おかげさまで身体だけは丈夫、後10年くらいは頑張れるかな?と思っています。
私はお客様からの喜びの声を一番の楽しみにしております。
しかし、中々100%のお客様にご満足頂くことができないのも現状です。
数の中にはがっかりさせてしまったお客様もおります。
申し訳なかったと心から思います。
今日も遠く見ず知らずのお客様のことを考えながら、きっと素敵な所で生活しているのかな?
まだ若い人?いや私と同じ世代の人かな?などと勝手に思いを巡らせて篠笛作りに励んでいます。
愛知県の〇〇さん!!!鹿児島の△〇さん!!
必ず吹き易く、鳴りが良く、とっても音色の綺麗な篠笛をおくりますから・・・
いま少し、待ってくださいね!!!